レビー小体型認知症

(dementia with Lewy lobar degeneration; DLB)

認知症高齢者全体の約10%~20%がレビー小体型認知症と言われています。早い方では40歳ころから発症することもあります。

他の認知症に比べて進行速度が速いのが特徴で、パーキンソン症候群との併発が多くみられます。

若い時にパーキンソン症候群を発症した方は、レビー小体型認知症に移行していくこともあります。

 

レビー小体型認知症特有の症状

  • パーキンソン症状
  • 幻視
  • レム睡眠行動障害
  • 抗精神薬薬剤の過敏症
  • 認知機能や意識レベルの極端な変動
  • 自律神経症状

レビー小体型認知症は誤診(パーキンソン病、うつ病、精神疾患、アルツハイマー病など)されるケースもあるようです。


パーキンソン症状とは

パーキンソン症状とはパーキンソン病に似た運動の障害で、体が固くなり動きづらくなる固縮・無動、手が震える振戦、急に止まれないといった症状があります。

その他に自律神経障害もみられ、便秘や尿失禁、起立性低血圧などがあらわれます。場合によっては失神して倒れることもあります。

【PR】



症状の進行

初期

初期では、認知症状の低下がみられることが少なく、パーキンソン症状による振戦・固縮・無動などが表れます。その他に存在しないものが見えてしまう幻視、睡眠時に大声を出したり暴れるなどのレム睡眠障害、頻尿や便秘などの自律神経症状も表れてきます。

中期

改善と悪化を繰り返しながら徐々に症状が強まっていきます。

 日時、季節、昼夜がわからなくなる、覚えていたことが思い出せない、新しい出来事が覚えられないなどの見当識障害がみられ始めます。

抗精神病薬薬剤への過敏性により薬の副作用が出てしまうことがあり、量や種類を変更したときに症状が悪化する場合もあるようです。

後期

パーキンソン症状が強くなり、小さなきっかけで転落や転倒リスクが生じます。

自律神経症状による「ふらつき」や立ち眩みも注意が必要な時です。

嚥下機能の低下による誤嚥性肺炎にも気を付けたいとこです。


接し方

基本的な対応はアルツハイマー型と同じです。

レビー小体型認知症特有の症状の幻視についてですが、脳の誤作動により実際にはいない人やない物が見えています。脳の病気ということを理解して、否定したり無視することはしない方が良いでしょう。

本人が言っていることを受け入れて、納得できる理由や落ち着ける(安心できる)言葉をかけるといいでしょう。

続いてレム睡眠障害についてです。睡眠時に大声を出したり歩き回ったりしますが、無理に起こすのは控えた方が良いです。無理に起こしてしまうと、夢と現実が混同してしまい暴力をふるうリスクもあります。

歩き回って危険があるようでしたら、ベッドを低床にしたり、導線の障害物を避けておく、怪我のもとになりそうな物はあらかじめ撤去しておくなどの対策を行ってください。


出典:2021.7.20健康長寿ネットhttps://www.tyojyu.or.jp/net/index.html

2021.7.20LIFULL介護https://kaigo.homes.co.jp/

【PR】