前頭側頭型認知症(ピック病)

(frontotemporal lobar degeneration; FTLD)

前頭側頭型認知症とは、神経変性による認知症の一つです。神経変性による認知症とは、脳の中身である神経細胞が徐々に減ってしまったり、脳の一部に本来みられない細胞(タウ蛋白・TDP-43・FUSなど)ができて、前頭葉・側頭葉が萎縮することで発症すると言われています。

認知症の中では比較的若い年齢で発症していると言われています。(40~60歳や50~60歳という説があります)

「前頭側頭葉変性症」という名前で指定難病に登録されていますので、各種手続きや申請を行うことで医療費の助成を受けることが出来ます。

また、条件を満たした場合に介護保険サービスを受けることも可能です。 

前頭側頭型認知症の主な症状

  • 自分本意な行動や万引きなどの脱抑制・反社会的行動をとるようになる
  • 同じ行動や言葉を繰り返す常同行動
  • 無関心・自発性の低下
  • 共感や感情移入ができなくなる
  • 食事や嗜好の変化
  • 遂行機能障害(目標や計画を立てて行動できない)
  • 失語症状

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症状の進行

前頭側頭型認知症を発症してから6~8年後には寝たきりになると言われています。発症後の平均寿命は6~9年とも言われているようです。

前頭葉が萎縮しているため、人格が変わったり、同じ行動を繰り返す(常同行動)、などの異常行動が目立つことが多く、少しずつ進行していきます。万引きしてしまう、相手に対して遠慮が出来ない、度が過ぎたふざけ方をしてしまう、暴力をふるってしまうなど、理性のある行動がとれないといった症状もあります。(反社会的行動)。また、性的に逸脱した行動をとるケースもあるようです。

ですが、無気力・無関心といった症状が強くなることで異常行動がみられなくなるケースもあります。

その他には、自発的な言葉が出なくなる、同じ言葉を言い続ける、相手に言われたことをオウム返しする、といった症状もみられるようです。

 

また、パーキンソン症状や運動ニューロン症状が現れることがあります。繰り返し誤嚥する、呼吸するのに使う筋肉が麻痺するなどします。これは寿命に大きな影響を与えます。

 

症状の現れ方は、発症してすぐに出現する人や全く現れない人など、人によって異なります。

接し方

発症年齢が比較的若いため、働き盛りの年代で発症することが多いようです。さらに、本人に病気の自覚がないことや、対応が難しい症状が多いことで、家族介護の負担はとても大きなものとなることが予想されます。家庭内だけで抱え込まず、医療や介護サービスの活用、地域住民の協力も視野に入れて考えるのもいいかもしれません。

さて、具体的な接し方ですが、前頭側頭型認知症は病気の影響で反社会的行動を起こしてしまったり、人格変化がおきてしまうこと念頭に置いておいてください。

 

常同行動と呼ばれる、毎日同じ時間に同じ行動をするというのがあります。これは、本人のこだわりや趣味、特技を活かしたことを日課にすると落ち着くケースがあります。本人の日常生活を乱さないように配慮するのも大切です。

 

反社会的行動への対応ですが、家庭内で全てをサポートしようと大きな負担になってしまいます。例えば、外出(買い物・通院など)する時は、訪問看護や訪問介護を利用してもいいと思います。

もしくは、近隣のスーパー(よく行くお店)などにあらかじめ病気のことを話しておき、万引きしてしまった場合は連絡をもらって商品代金は後払いにしてもらえないか交渉しておくなどの地域協力も時には必要かもしれません。

 

性的逸脱行動については、卑猥な話をしたり、身体を触る/触らせるなどがあった場合には、他のことに意識が向くように誘導するといいです。あらかじめ本人の興味がわくことをリサーチしておくと、いざというときの対応がスムーズになるかと思います。


出典:2021.7.21公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センターhttps://www.nanbyou.or.jp/

2021.7.21健康長寿ネットhttps://www.tyojyu.or.jp/net/

2021.7.21LIFULL介護https://kaigo.homes.co.jp/

 

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ピック病とは?

前頭側頭型認知症には様々な種類があります。

その中の1つに、脳の神経細胞に変性したたんぱく質の塊「ピック球」が現れることから「ピック病」と呼ばれています。

現在では前頭側頭型認知症と診断されることが多くなったようです。